【山歩き】キノコ界の貴婦人 キツネノハナガサ|小樽 山歩き キノコなど

キノコ

キツネノハナガサ

9月2日、山を散策していてキツネノハナガサを見つけました。それは突然目に飛び込んできました。直径4cmほどの小さなキノコです。この夏に発見した数少ないものの一つとなりました。その佇まい(そのものから醸し出される雰囲気)は、毅然としていて、爽やかで、人を惹きつける魅力がありました。

思えば、8月1日に記事をアップしてから一か月以上経ちました。この間キノコの記事を書くため何度も山へ入りましたが、これといった成果がありませんでした。今年の夏は異常に気温が高く、キノコにも少なからず影響を及ぼしていると考えられます。はっきりとはわかりませんが、キノコは高温を嫌うようです。しかし日本で名前のついているキノコだけで2,000種類を数えるので一概に高温が子実体発生の阻害になっているとは思いませんが、冷涼、適度な湿度を好む種にとっては、「キノコ(子実体)を出すのは来年にしようか!」となるかもしれません。こればっかりはキノコに聞いてみなければわかりません。一度山を散策していてあまりの暑さでこのまま進めば、動けなくなるような身の危険を感じ、引き返したこともありました。それほど例年にない異常な気温だったのです。ちなみに今年の小樽の8月の平均気温は、例年の平均気温より3℃高かったそうです。一月の平均気温が3℃高かった……。たとえば年平均気温が産業革命前と現在とでは1℃上昇していると言われてもピンときません。しかし一月の平均気温が3℃高かったと言われれば、よく生き延びたなぁと実感します。寝室の温度が30℃を超える日が何日続いたでしょう。そんな日々に終止符を打ち(やっと室温が30℃を切りました)翌日9月3日山に入りました。狙いはアミハナイグチでしたが結果収穫ゼロでした。やはり高温が発生に影響を与えていることは否定できないでしょう。子実体を発生させる前、キノコは菌糸体という状態で地中で暮らしています。種を残すため子実体(植物の花のようなもの)を形成させるのですが、そのタイミングは、地温、気温、湿度、一日の温度差、日照時間、気圧(空気の流れ)など様々な要因によって起こるものでしょう。その仕組みを一部解明し、実用化したのが栽培キノコでしょう。栽培キノコの生産者の方々には頭が下がります。どれ程の研究開発が行われたのか、食の広がりの可能性を実感させてくれます。それは江戸時代から続くシイタケ栽培に端を発しているようです。いずれにしろスーパーで購入できるキノコ以外は自分の感性で発見、判断、採集、調理、美味しくいただく、を自己責任で完結させなければなりません。また気象の変動は地球規模のことなので、人類がどうすることもできません。人類ができること、それは地球上の生物の中の一つの種として自然環境に無理なく適応し次代へ繋げてゆくことではないでしょうか。

真夏に見たキノコ

タモギタケ
チャホウキタケ
エダナシツノホコリ(変形菌)
キアシアミイグチ
ロクショウグサレキン
ススホコリ(変形菌)

コメント

タイトルとURLをコピーしました