【解説】胞子の飛ばし方はさまざま!|小樽 山歩き キノコなど

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キノコの胞子拡散の戦略

キノコは菌糸体を地中に発生させ、ここから原基を生成していきます。この原基から子実体を形成し、いわゆるキノコを露出させます。そしてその形により雨や風、さらには生物に食べられるなど様々な方法で子孫繁栄のための胞子を独自の方法で飛散させます。以前にも科目別の胞子の飛散方法をご紹介しましたが、今回は種類を増やしてご紹介したいと思います。

テングタケ科ベニテングタケやヌメリイグチ科ハナイグチ
ベニテングタケのかさ裏はひだ、ハナイグチのかさ裏は管孔です。ここで胞子をつくり空気の流れを利用して飛散させます。

ベニテングタケ
ハナイグチ

アミガサタケ科アミガサタケ
アミガサタケなどは子実体の頭部表面から胞子を飛散させます。

アミガサタケ

ハラタケ科ホコリタケなどは子実体の頭部の頂孔から雨や動物などに踏まれて胞子を飛散させます。

ホコリタケ

ナヨタケ科ヒトヨタケなどは子実体の成長速度が速く、一夜茸と名付けられたように短時間で溶けてしまいます。この溶けたかさの中に胞子が混ざっていて拡散させます。

ラッパタケ科ハナホウキタケなどは上部の枝から胞子を飛散させます。

スッポンタケ科スッポンタケなどはグレバと呼ばれる胞子を形成する部分にハエなどが好む特有のにおい物質を生成し、そこにとまった生き物の足に胞子を付着させ拡散させます。

先端のグレバがなくなった状態のスッポンタケの老菌

チャダイゴケ科コチャダイゴケなどはコップ形の子実体の中に胞子を含んだ小塊粒が入っており、雨粒が子実体の中に飛び込んできて胞子をはじき出す仕組みです。

コチャダイゴケ

ホウライタケ科シバフタケやハラタケ科ハラタケ 
ハラタケなどは草地や芝生に発生し、動物などに食べられることで胃袋を通過し生存のための胞子の発芽率を高め、糞によって拡散させます。

ハラタケ

ショウロ科ショウロ
地下生菌であるショウロなどは、地下棲生物の力を借りて胞子を拡散させます。たとえばショウロは成熟するとダンゴムシを誘うための特有な強い香り(トリュフ様のガス臭)を発し、誘引されたダンゴムシはそれを食べ、糞を出し、これにより胞子を拡散させます。

以上キノコの胞子拡散の戦略を見てきましたが、これらは長い時間をかけて進化した生存戦略で、その多様性はキノコの種類同様多岐にわたり私たちの想像を超えるものです。キノコたちの巧みな子孫繁栄の戦略により自然界の循環が成立し、清浄な森を形作る大切な生物となっています。これからもキノコたちの生きざまを観察しつつその役割の大きさに感謝したいものです。

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