山菜の種類や注意することなど
山菜採りに山に入るときは、長袖、長ズボン、明るめの服装を心がけましょう。ブヨ(ブユ)対策には携帯用の蚊取り線香をお勧めします。またツタウルシ対策では軍手をはめましょう。詳しい山へ入るための準備と対策は、別の記事でご紹介していますので、そちらをご覧ください。さて、小樽では5月のゴールデンウイークの頃から山菜と呼ばれる山野草が山野のあちこちに発生します。山菜は、山野草のなかで食材になりうるものの総称です。西日本の状況はわかりませんが、東北、北海道ではその種類、発生量が豊富な印象があります。特に東北地方は山菜文化を下支えしているのではないでしょうか。北海道も山菜の恩恵にあずかっています。小樽にもさまざさな山菜が採れます。その中からいくつかご紹介していきたいと思います。まず最初に私が採集するのは、ギョウジャニンニクとユキザサです。
2年くらい前にこの二つが一緒になっているところを発見しました。小躍りするほどうれしかった記憶があります。ギョウジャニンニクの採集の仕方はカッターなどで茎の根元から切り取ります。根を残すことで翌年も発生するので、これは必ず守りたいです。食べ方はよくジンギスカンの具材として皆さん使っているようですが、私は採ってきて水洗いし、茎の下にある赤い皮を取り除き(ここが一番ニンニク臭がするそうなので)、熱湯で1分程度茹でます。そのあと水洗いして少し絞ります。保存ビンに入れ2~3倍希釈くらいのめんつゆをそのまま注ぎ入れます。1週間ほどで美味しいギョウジャニンニクが食べられます。次にユキザサは、アズキナの愛称で親しまれています。これもとても美味しい山菜です。ひとつ注意したいのは若葉の時期に、毒草のホウチャクソウと似ていることです。違いは、ユキザサの葉は波打っていること、ホウチャクソウの茎には稜があることなど見分けるコツはいくつかありますが、見分けるのに苦労するかもしれません。一番確かな見分け方は、ユキザサは複数のつぼみを持ちます。これに対してホウチャクソウの花は1~2個なので、つぼみの状態で確認できます。
つぼみができた状態でも美味しくいただけます。ユキザサはさっと湯がいてマヨネーズ、ゴマ和えなどがお勧めです。
次にタケノコが時期になります。東北・北海道ではタケノコと言えば、ネナガリタケ(チシマザサ)の若芽を指します。
ネマガリタケの笹薮に入り収穫するのですが、これが一番骨が折れます。笹薮を泳ぐように歩き、笹の跳ね返りに注意しつつ、ダニにも気を付けて汗だくで笹と格闘します。想像以上に過酷な山菜採りです。収穫後の皮むきもたいへんな作業です。しかしそれらをすべて終え、味噌汁などの具材にすれば、春の一番のごちそうと言えます。あとは続々と山菜と言える山野草が山を活気づけます。5月の第二週にワラビを採集に山に入ります。ワラビは個人的に大好きな山菜です。お味噌汁にすると、びっくりするほどの良い出汁が出ます。採集は一番楽で、散策路上のいたるところに生えていることがあります。それをカッターなどで15~20cm程度の長さで切り取ります。収穫後水洗いをして汚れを取り、つぼみを取り除き準備完了です。その後漬け物容器などで塩漬けし、塩蔵保存します。こうするとあく抜きの手間が省かれるようです。ワラビには発がん性物質が含まれているそうですが、1トンくらい食べなければ、発症しないそうです。塩蔵保存では1年近く楽しめると思います。ワラビと一緒にフキも採集することが多いです。フキもいたるところに自生していて、採集には苦労しません。茎が3本出ている場合、真ん中が中ブキで採取するのは外ブキと呼ばれるやや小ぶりの茎を根元からカッターなどで切り取ります。2本だちの場合は小ぶりの方を選ぶのが無難です。食べ方は煮物や酢味噌和え、味噌汁の具材として使います。次のウドも人気の山菜でしょう。酢味噌和えや葉は天ぷら、皮はきんぴらでいただくなど、捨てるところがないくらいです。しかし人気の山菜なので採集する人が多く、数年を経た太いウドにはなかなかお目にかかれなくなりました。
次にあまり知られていない山菜をご紹介します。アキノキリンソウ、アマニュウ、エゾニュウ、オオハナウド、シャクなどです。まずアキノキリンソウですが、これも山野の散策路上いたるところで見かけます。
若葉を熱湯でさっと茹でかるく絞ってマヨネーズ和えなどでいただきます。くせがなく美味しい山菜です。アマニュウ、エゾニュウは同じセリ科でよく似ていますが、葉の形で見分けることができます。若葉の頃の茎をいただきます。フキと同じ要領で、熱湯で茹で皮をむき煮物などでいただきますが保存方法は塩蔵ではなく、冷凍保存します。漬け物容器で塩蔵するとなぜか上澄みにカビが発生します。何度塩の量を変えて試しても発生しました。オオハナウドもセリ科で爽やかな味がします。皮は薄いので包丁などでこそぎ取ります。生のままこれもマヨネーズ和え、酢味噌和えなどでいただきます。
最後にシャクですが、これは小樽の山野には自生していないようです。よく見かけるのは国道5号線の銭函あたりの歩道沿い、忍路の道路沿い、然別の道路沿いなどです。市販もされていて京極町の野菜直売店で、コジャクの名前で販売されていました。将来野菜としてスーパーで購入できるかもしれません。以上、主な山菜をご紹介しましたが、まだまだたくさんの種類の山菜が山野に存在します。図鑑を片手に山を散策するのも楽しみ方の一つかもしれません。最初は山菜にしろキノコにしろ知識のある方と一緒に入り、教えてもらいながら採集することをお勧めします。
はるか縄文人も山菜を食べていたようですが、この山菜文化を連綿と後世に残していきたいものです。
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